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zoom RSS 月刊ポエム11月号「留守」

<<   作成日時 : 2014/11/02 11:09   >>

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画像
留守

こんこん。
玄関ドアをノックする音です。金曜日の午後6時、晩秋のシャンバーグ
(シカゴ郊外の田舎町)はもうすっかり日が暮れてます。知り合いなら必
ず電話が来るはずで、前触れのないノックにうっかりドアを開けたりは
しません。
「誰だろう」
妻も不安そうな顔で見返すだけ。不動産屋いわく「平和な住宅街」の
シャンバーグですが、夜ともなると話は別です。一戸建ての我が家、
玄関ドアは二重カギ、車庫にも頑丈な電気ロック。すべての窓にはアラ
ーム付きが標準仕様です。もちろん、玄関ドアには来訪者確認用の小さ
なスコープが付いてますが、覗くために玄関ドアの前に立つのは要注意。
当地の友人から、木製のドア越しにズドン!もあるからね、と言われて
ます。このまま、居留守を決め込む?

こんこんこん。

またノックです。
居間のランプを点けているので、カーテン越しに光は漏れているので
しょう。在宅なのは丸わかり? どうやら、居留守は使えそうにもありま
せん。仕方ない。私はソファから立ち上がり、玄関脇の窓のカーテンを
少しだけめくってみます。

玄関先、ぼんやりと街灯に照らされたあたりに、小さな人影がひとつだ
けです。どう見ても大人ではなく、 おそらく、押し込み強盗でもなさ
そうです。
「子供みたいだね、何の用だろう」
我が家の娘はまだ2歳。それに日本から来てまだ1ヶ月くらいです。友
だちが作れるはずもありません。頭に素朴な疑問符をいくつか点滅させ
ながら、玄関ドアを開けました。

Trick or Treat ?

は?

玄関に立っていたのは、黒いトンガリ帽子に黒のマント、右手に箒、左
手には林檎カゴ?。どう見ても、魔女のような、しかし、両眼がくりん
とまん丸い、可愛い女の子でした。

Trick or Treat ?
(なにかちょうだい、でなきゃ、魔法にかけちゃうぞー)

「ねえ、それって、ハロウイーンじゃない?」
後ろから妻の声です。そして、小さなキャンディー袋を持ってきました。
「おお、そうか! そういえば今日は10月31日かあ」

Good evening, Mrs. Springfield !

玄関先から妻が声をかけてます。キャンディー袋をカゴにしまうと、小
さな魔女はくるりと踵を返し、通りへと走り出しました。その先、街路
樹の陰には、金髪の女性が小さく手を振っています。

「斜め向かいのスプリングフィールドさんよ。とっても親しくしていた
だいてるの」
「そうかあ」
さっそく妻は友人を作ってるようだ。妻の友人に軽く会釈をしながら、
ちょっとだけ冷や汗。さっきは居留守を使わなくてよかったな。

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         今月のテーマ素材:  [留守]

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          [今月の巻頭詩]

      留守番猫

      不在がちなあなたの部屋に上がりこみ
      主ののようにくつろいでいます
      暖めてあるから
      早く帰ってきなよ

      河野夏月
      2014/10/21 03:25

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   ▽△▽△  4 行 詩 の 展 覧 会  △▽△▽ 

         テーマ素材 「 留守 」

  お留守番 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 動物病院
  待つ町 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ サヨナキドリ
  留守番猫 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 河野夏月
  初訪問 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ aoi
  守る ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ チビ○

 ●作品表示の凡例 (作品は投稿順に並べてあります)
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タイトル
 4行詩本文
 (あとがき)
ペンネーム
投稿日時
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お留守番

小雨交じりの夕刻
冷えたカレーライス
母のいない一日
一人ぼっちのお留守番

動物病院
2014/10/05 21:27
----------------------------------------------------------------
待つ町

芒の野原を揺らす風
海へ寄せる波を漂う
外れたままの雨戸
倒れたままの墓石

サヨナキドリ
2014/10/14 15:11
----------------------------------------------------------------
留守番猫

不在がちなあなたの部屋に上がりこみ
主ののようにくつろいでいます
暖めてあるから
早く帰ってきなよ

河野夏月
2014/10/21 03:25
----------------------------------------------------------------
初訪問

呼び鈴を鳴らしたあとの沈黙を
かき消すような一陣の風
人の気配のしない軒下
漂うキンモクセイの香

aoi
2014/10/31 21:34
----------------------------------------------------------------
守る

「あとは頼む」
腹の底に不思議な力が入る
単純なのかスイッチがあるのか
留守を守るのはやっぱり女?

チビ○
2014/11/01 22:10
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[記録室]
投稿全作品数:12
推薦詩:5
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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 編集室から ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

こんにちは。秋から冬へ、山の色、風の香りなどどんどん移ろっていき
ますが、お変わりありませんか。前身の「月刊ポエム」から数えて、な
んと19回目の秋冬を迎えています。その間、たくさんの方々の参加を
いただきました。これからどのくらい続けられるかわかりませんが、こ
れからもよろしくお願いします。

今月は「留守」がテーマ素材でした。巻頭詩には久々の投稿をいただい
た河野夏月さんの「留守番猫」を選びました。読むとほっこり、心が暖
かくなります。サヨナキドリさんの「待つ町」の荒涼感、aoiさんの
「初訪問」の落胆、どちらもたしかに留守のイメージだなと思いました。

さて、来月(12月)号のテーマ素材ですが、「素手(Empty Handed)」
です。

素手(Goo辞書より)
1 手に何も持っていないこと。徒手(としゅ)。
2 所持品や土産物などが何もないこと。てぶら。からて。

この頃、素手で何かをすることが減っていませんか? あなたの日常
で、あるいは周辺で素手にこだわる何か、ありますか。ちょっと気に
なる素手の存在、そんな何かを四行詩でお寄せください。

12月号の配信は12月7日、投稿締め切りは12月6日です。
4行詩の投稿をお待ちしています。

                    編集人 ジョッシュ

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 メールマガジン: 詩とエッセイの月刊ポエム11月号
     発行日: 2014年11月2日(通算210号)
   総発行部数: 約200
     発行元: mbooks(ジョッシュ)
          http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/index.html
     連絡先: prn81060_mbooks2アットyahoo.co.jp
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